スノーボードとスケートボードのハーフパイプは似ている?違いと共通点

スポーツ解説・五輪情報

ミラノ五輪でも大きな注目を集めているスノーボード競技。
中でもハーフパイプは、空中で大技が次々と飛び出す人気種目です。

一方で、夏季五輪にはスケートボードのハーフパイプ(パーク)競技があります。

テレビで見ていると、

「これって同じ競技なの?」
「雪かコンクリートかの違いだけ?」

と感じたことはありませんか。

見た目はよく似ていますが、実は環境や感覚はかなり違います。

共通点:U字型で空中技を競う

まず共通しているのは、U字型の構造物を往復しながら技を決める点です。

壁(リップ)から飛び出し、

・回転
・宙返り
・グラブ(板をつかむ動き)

などを連続して披露します。

高さ、難易度、完成度が採点対象になります。

トリックの名前も共通するものが多く、
インディグラブやフロントサイド360などは両方で使われます。

ルーツはスケートボードにあり、そこからスノーボードへ発展しました。

最大の違いは「地面」

スノーボードとスケートボードのハーフパイプ、決定的な違いは、滑る場所です。

スノーボード・ハーフパイプ

・雪面(アイスバーン加工で滑らか)
・長さ150〜200m
・高さ約6〜7m
・緩やかな斜面で徐々に下る構造

スケートボード・ハーフパイプ

・コンクリートや木製ランプ
・比較的コンパクト
・平坦な設置も多い
・摩擦が大きい

雪は反発があり、滞空時間が長くなります。
そのためダブルコークのような縦回転の大技が可能になります。

一方スケートボードは摩擦があるため、
コントロール性が高い反面、滞空時間は短めです。

道具の違いも大きい

スノーボードは両足を板に固定します。
そのため体全体を使って安定した空中姿勢が作れます。

スケートボードは足を固定しません。
プッシュ(地面を蹴る動き)で加速します。

この違いは、技の感覚を大きく変えます。

スノボは“雪の反発を使う競技”。
スケボは“自分の推進力と板のコントロール”が中心です。

トリックの違い

共通トリックには、

・インディグラブ
・テールグラブ
・フロントサイド/バックサイド360

などがあります。

ただし、スノーボードでは

・ダブルコーク1260
・マックツイスト

といった縦回転を伴う高難度技が主流。

スケートボードでは

・オーリー
・キャブ(ハーフキャブ)
・540

など、摩擦を活かした技が多く見られます。

派手さで言えば、滞空時間が長いスノーボードのほうが大技に見えやすい傾向があります。

両方に挑戦した平野歩夢

この2競技の両方に挑戦した選手として有名なのが、
平野歩夢選手です。

ミラノ五輪では、前月の大会で骨折を負い万全とは言えない状態での出場となりましたが、それでも渾身の滑りを見せて7位に入賞。あの執念のパフォーマンスは、まだ記憶に新しいのではないでしょうか。

平野選手はスノーボード男子ハーフパイプで

・ソチ五輪 銀メダル
・平昌五輪 銀メダル
・北京五輪 金メダル

を獲得。

その後、東京五輪ではスケートボード・パークにも出場しました。
予選を通過することはできませんでしたが、日本5人目の夏と冬のオリンピック両方に出た選手となりました。

実は平野選手は4歳からスケートボードを始めており、
競技歴はスケボのほうが長いといわれています。

雪とコンクリートという全く異なる環境で戦うのは簡単ではありません。

それでも二刀流に挑戦した姿は、両競技の共通性と違いを象徴する存在でした。

似ているけれど別競技

まとめると、

共通点
・U字型コース
・空中回転とグラブ
・高さと完成度で採点

違い
・雪とコンクリート
・道具の固定方法
・滞空時間と摩擦
・主流トリックの傾向

見た目は似ていても、体の使い方や物理条件は大きく異なります。

特にスノーボードのハーフパイプは、気温や雪質によっても滑りやすさが変わります。
同じ選手でも大会ごとにコンディション対応が求められる点も、雪上競技ならではの奥深さと言えるでしょう。

スノーボードのハーフパイプを見るとき、
その“雪ならではの高さ”に注目してみてください。

そして夏季大会でスケートボードを見るときは、
細かなコントロールやライン取りにも目を向けてみると面白さが増します。

似ているようで、実はまったく違う世界。
それぞれの競技の魅力を知ると、観戦がより深く楽しめます。