ミラノ・コルティナ五輪で、日本フィギュアはすでに団体戦、そして男子シングルでメダルを獲得。
その流れの中で、今大きな期待を集めているのがペアです。
中心にいるのが、“りくりゅう”こと
三浦璃来(りく)と木原龍一のコンビ。
かつては日本の弱点とされていたペアが、今では得点源に。
りくりゅうは、そんな流れを作ってきた存在です。
では、2人はどんな選手なのでしょうか。
出会いは2019年、三浦からの一歩
2人がペアを結成したのは2019年7月末。
当時、三浦璃来さんは前のパートナーと解消したばかりでした。
同じくペアを解消していた木原龍一さんに、自ら連絡を取ります。
トライアウトは名古屋の邦和スポーツランドで実施。
そのとき木原さんは「体に雷が落ちたような感覚」と語るほど、
技の感覚が自然に合ったといいます。
特にツイストリフトの相性が抜群。
三浦さんも「合わせるというより、自然に合った」と感じたそうです。
ペアはどちらかが無理に合わせることも少なくありません。
でも、りくりゅうは最初から“合う”感覚があった。
そこがスタートでした。
木原龍一の転向と原点
木原さんはもともとシングル選手。
2013年にペアへ転向しました。
その最初のパートナーが、現在ペア解説としても活躍している
高橋成美さんです。
当時、日本スケート連盟の打診を受け、五輪前年に思い切って転向。
簡単な決断ではありませんでした。
転向後は思うように結果が出ず、
「無謀だったのでは」と悩んだ時期もあったといいます。
体づくりにも苦労し、体重は61キロから約77キロへ増量。
慣れない食事量に苦しんだエピソードもあります。
それでもペアにこだわり続け、
三浦さんとの出会いで才能が大きく花開きました。
強みは“スピード”と“自然な一体感”
りくりゅうの最大の武器はスピード。
氷を押すタイミングがぴったり合い、
滑り出しから勢いがあります。
ツイストリフトは滞空時間が長く、
無理に持ち上げている印象がありません。
リフトやスローも安定感が高く、
大崩れしにくいのが特徴です。
木原選手の「絶対落とさない」という言葉が象徴するように、
三浦選手は安心して思い切った技ができます。
性格は対照的とも言われますが、
言い合いながら改善を重ねる関係性も強み。
信頼と衝突の両方を積み重ねてきました。
カナダで磨いた技術
現在はカナダ・トロントを拠点に、
ブルーノ・マルコット氏のもとで練習しています。
朝早くからリンク入りし、
体幹トレーニングやストレッチを徹底。
三浦選手が左肩を脱臼した後は、
インナーマッスル強化やデータ分析も強化しました。
ケガをきっかけに、
より安定感のあるペアへと進化しています。
一方で、ゲームや食事でリフレッシュする時間も大切に。
集中しすぎない工夫も続けています。
世界王者として五輪へ
2023年世界選手権で初優勝。
その後も四大陸選手権やグランプリシリーズで結果を残し、
世界のトップペアとして認められました。
そして迎えた
ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピック。
団体戦ではショート、フリーともに1位。
フリー「グラディエーター」は、
“戦い”ではなく“道を切り開く”をテーマにしたプログラム。
序盤にジャンプの乱れがありながらも、
その後は圧巻のリフトとスローで立て直しました。
最後の、木原選手が三浦選手を頭上に掲げるフィニッシュ。
腕を伸ばしガッツポーズを作る三浦選手の姿は、
まさに日本ペアの新しい歴史を象徴する瞬間でした。
かつては弱点とされていた種目で、
今は得点源としてチームを支える存在。
この変化はとても大きいと言えます。
まとめ|日本ペアの現在地
りくりゅうペアの強さは、
派手な技だけではありません。
・自然に合う技術
・長年の努力
・ケガを乗り越えた経験
・信頼関係
これらが重なり、世界トップへと押し上げました。
日本フィギュアは団体戦と男子シングルでメダルを獲得。
次に期待がかかるのがペアです。
りくりゅうが個人種目でどこまで伸びるのか。
日本勢初のペアメダルへの挑戦は、まだ続いています。
氷上でのスピードと一体感に注目して見てみると、
2人の強さがよりはっきりと見えてくるはずです。


