ミラノ・コルティナ五輪では、様々な競技が盛り上がっていますが、
その中でもスノーボード競技が、大きな盛り上がりを見せています。
今回のオリンピックの金メダル第一号は、男子ビッグエアの木村葵来選手、
その後女子ビッグエアでも村瀬心椛選手が金メダルを獲得しました。
ただ、テレビで見ているとこんな疑問を持つ人も多いはずです。
「ビッグエアとスロープスタイルって何が違うの?」
「ハーフパイプはまた別物?」
ジャンプして回っているのは同じに見えますが、実はコースも採点もまったく違います。
今回は、初心者向けに3種目の違いを整理してみます。
ビッグエアは“一撃必殺”の勝負
ビッグエアは、その名の通り大きなジャンプ台(キッカー)から1回飛ぶ競技です。
コースは直線的で、基本的に巨大ジャンプ台が1つだけ。
そこでどれだけ難しい技を決められるかが勝負になります。
ポイントは、
・回転数(ダブル、トリプルなど)
・空中姿勢の安定感
・グラブ(板をつかむ動作)の美しさ
・着地のクリーンさ
まさに「最高の一発」を競う種目です。
ミラノ五輪では、
木村葵来選手が金メダル、
木俣椋真選手が銀メダルを獲得。
女子では村瀬心椛選手が金メダルと、日本勢が大活躍しました。
ジャンプの迫力と回転数の高さは、見ていて一番分かりやすい魅力があります。
スロープスタイルは“コース全体”を滑る
一方のスロープスタイルは、全長約700mのコースを一気に滑り降ります。
コースには、
・レールやボックス(ジブセクション)
・複数のジャンプ台
が連続して設置されています。
採点は“ラン全体”の総合評価。
・トリックの難易度
・技のバリエーション
・ライン取り
・スイッチ(逆向き滑走)の使い方
・流れや創造性
などが見られます。
ビッグエアが一点突破型なら、
スロープスタイルは構成力勝負。
パーク全体をどう使うかという“設計力”が重要になります。
ミラノ五輪では、
男子では木村葵来、木俣椋真、長谷川帝勝、荻原大翔、
女子では深田茉莉、村瀬心椛、岩渕麗楽がエントリーしています。
ビッグエアと兼任する選手が多いのも特徴です。
ハーフパイプは“壁を使う”競技
ハーフパイプは、U字型のコースを往復しながら技を連発する種目です。
円筒を縦に半分に切ったような形で、
壁の高さは約6.7m。
左右の壁を5〜6回往復します。
壁を駆け上がってジャンプし、
宙返り(コーク)や回転技を連続で繰り出します。
評価ポイントは、
・ジャンプの高さ
・回転の難易度
・連続性
・着地の安定感
高さとスピードの維持が鍵になります。
ミラノ五輪では、戸塚優斗選手が金メダル、山田琉聖選手が銅メダル、
平野流佳選手と平野歩夢選手も素晴らしい技術を見せてくれました。
ビッグエアが「一撃必殺」、
スロープスタイルが「コース全体の構成力」なら、
ハーフパイプは「空中芸術の連続技」と言えるでしょう。
なぜビッグエアとスロープは兼任が多い?
ビッグエアとスロープスタイルを兼任する選手が多いのは、技術的な共通点が大きいからです。
どちらも基本は「キッカー(ジャンプ台)での空中技」。
回転数、軸の安定、グラブの完成度といった評価ポイントは共通しています。
スロープスタイルのジャンプセクションで使う高難度トリックは、そのままビッグエアでも武器になります。
いわば、スロープのキッカーがビッグエアの実戦練習にもなっている形です。
一方でハーフパイプは、動きの方向が大きく異なります。
ビッグエア/スロープは基本的に一方向へ滑りながら踏み切る“直線型”。
それに対してハーフパイプは、壁を往復しながら縦方向に駆け上がる“反復型”の動きです。
エッジの使い方、踏み切りのタイミング、体の軸の取り方がまったく違います。
さらに大会スケジュールや強化部門も分かれているため、
自然と専門性が高まります。
そのため、
・スロープ ⇄ ビッグエア → 兼任しやすい
・ハーフパイプ → 専門特化型
という構図が生まれています。
ミラノ五輪でも、ビッグエアとスロープの両方に出場する日本選手がいるのは、この技術的な近さが理由の一つです。
見るときのポイントまとめ
初心者向けにざっくり整理すると、
・ビッグエア → 回転数と高さに注目
・スロープスタイル → ラン全体の流れを見る
・ハーフパイプ → 高さと連続技の安定感
という視点を持つと分かりやすいです。
ミラノ五輪では、日本勢がビッグエアでメダルを獲得。
スロープスタイルも注目が集まっています。
競技ごとの違いを知ると、
同じジャンプでも見え方が大きく変わります。
まとめ|同じスノーボードでも中身は別物
スノーボードは一括りにされがちですが、
・ビッグエアは「一撃必殺」
・スロープスタイルは「構成力」
・ハーフパイプは「連続空中芸術」
と、性格はまったく異なります。
ミラノ五輪で観戦するときは、
どの種目かを意識して見るだけで理解度が一気に上がります。
回転数だけでなく、
コースの形や滑り方にも注目してみてください。
きっと、これまでよりも面白く感じられるはずです。


